BAGの色あせへの対応(加工)
先の記事の中「修理についてのご案内」でもおつたえしました通り、
『色』に関わる作業は大変に困難な場合が多いです。
より強めに「色」を足してしまうと、その品物の本来の良さが損なわれてしましますし、
そもそも、「革を染める」行為そのもが、
製品になった後(正確には原皮から革)からでは無理があるようにも考えております。
とは言うものの、長年お使いになられた愛着のある「革製品の修理」としましては
『色褪せ(色あせ)』、『汚れ、シミ』についてのご依頼やご相談を沢山いただきますので
作業が可能であった(注1)画像をご紹介いたします。
ビフォー |
こちらは先の『バッグのカビの修理』でご紹介したBAGと同じモノですが
カビの修理の工程と同時進行で、この色褪せの修理も致しました。
素材に合わせて染色 |
今回は「筆」を使いましたが、面積や場所に応じて、布を使用する場合もあります。
(注2 染料はかなり薄めて使います。最低でも3回くらいにわたって
染めて乾燥を待って確認をしながら慎重に作業をします)
濃すぎてその部分だけ色が目立つ!は仕上がりとしてはNG!
色は出来るだけ薄く。必要なら追加。が基本です。
アフター!! |
もちろん、染めたら終わりというわけにはいきません。
染めた以降も、通常の製品を製作したときと同様に、オイルなどで仕上げを致します。
(必要に応じて、レザーフィックスなどの仕上げ材料も使用)
カビと同様に、本当の意味でのモトドオリは物理的に不可能ではございますが、
一般的な使用をするにあたっては、
ほぼ気づかれない仕上がり!
になれる場合も少なくはないので、是非ともご参考になさって下さい。